デザイナーが選ぶジャケットデザインと解説【沢田研二のレコードジャケット編】

/ 4月 24, 2018/ Mr.Hamaji, デザイン, 音楽

最近、昭和歌謡曲をよく聴いているHamajiです。なんでしょう、1度聴くと頭から離れなくなるんですよね。不思議。CDより更に前。レコードの時代。
母に、昔持ってたレコードでかっこよかったジャケットは?と質問したところ、「沢田研二の『時の過ぎゆくままに』かな」と。

「時の過ぎゆくままに」1975年

え、沢田研二、、イケメン!写真もいいし、トリミングもフォントもいい。面白くなって調べ始めたら沢田研二のアートワークは、どれも昔のものとは思えないほどかっこよく、見せ方もおもしろく、しっかりデザインされているものばかりでした。てことで、今回は沢田研二のレコードジャケットをご紹介したいと思います。

 

沢田研二

沢田研二とは、スーパースターである。ニックネームは「ジュリー」。1948年6月25日生まれ。中性的な独特の色気、甘い歌声、早川タケジ氏による一見すると奇抜だがかっこいいファッション(帽子を斜めにかぶる等)で60~80年代の歌謡界を席巻し、数多くのファンを熱狂させた。ジュリーの由来は女優のジュリー・アンドリュースが好きだったからと本人がインタビューで語っている。60年代に起こったGS(グループ・サウンズ)ブームの際、爆発的な人気を誇った「ザ・タイガース」のリードボーカルとしてデビュー。解散後は「勝手にしやがれ」「サムライ」など、阿久悠作詞・大野克夫作曲の、ダンディズムの籠った楽曲で数々の大ヒットを記録、ソロ歌手として時代の先端を走り続けた。また、80年代には日の当たらなかった音楽ジャンルへ積極的に参入していた。

(ニコニコ大百科より)

 

1969年に、アメリカの音楽雑誌の中でも歴史が長く、最も権威ある音楽雑誌のひとつ『ローリング・ストーンVol.28』 の表紙に登場したそう!日本版が刊行される前の同誌において、日本人が表紙を飾ったのは、これが最初で最後だそうです。すごい。

 

「TOKIO」1979年

”沢田研二とはスーパースターである。”と紹介されていたのではい?と思いましたが、母に沢田研二ってそんなすごかったの?と質問したら、「そりゃすごいよ、スーパースターだね。」と言っていたので、間違いなかったようです。こちらの動画を見て納得しました。


ね?間違いなくスーパースター。

こちらがレコードジャケットです。

 

これ、全然古く無いですよね??今見ても新しいし色使いもポップでおしゃれ。裏面までしっかりデザインされております。

ビートルズをはじめとする海外レコードジャケットは今でもTシャツにプリントされたりして残っている有名なものがたくさんありますが、日本にもあるじゃんと嬉しくなった1枚。アートワークは1973年より沢田研二の衣装デザイン、レコードジャケットのアートディレクションを担当していた、早川タケジさん。アートディレクター、イラストレーター、衣装デザイナーであり、芸能人スタイリストの草分けと言われている方でした。

(TOKIOのジャケットについて)今でも一番好き。これ、コラージュなんですけど、全部ハサミで切り貼りしたんです。その後、印刷を十数工程繰り返して、やっとでき上がったという。今ならMacかなんかで一瞬のうちにできちゃうから、時代の流れみたいなのを感じますよね。(早川タケジのジャケット解説より)

 

ハサミで切り貼りしてこの絶妙なレイアウト、、!リスペクトしかないです。

 

「恋のバッド・チューニング」1980年

こちらも同じくアートディレクションは早川タケジさん。カラフルでアイコニックだし、沢田研二がキャラクターとしてしっかり立っていますね。当時の彼は「和製デヴィッドボウイ」と評されていたそうです。

カリガリ博士っていう映画あるでしょ?ああいう夢の中を走っている、ある種の精神異常的なイメージからできた。シングルの衣装は眼にカラーコンタクト入れたり、世の中の異常なものを全部集めちゃおうって感じで作ったんです。(早川タケジのジャケット解説より)

 


この時代にゴールドのカラコン!ネイルもしてるし、メイクもしてるし、曲によってキャラクターを演じ分けている感じがデヴィッドボウイと重なります。

ボウイの主演映画「地球に落ちてきた男」ならぬ、沢田研二主演「太陽を盗んだ男」のポスター。

色使いとコラージュ感が新鮮で、やはり今見ても古さを感じません。1979年に公開。原子爆弾を作る理科教師を演じ、第4回報知映画賞でグランプリにあたる作品賞と主演男優賞を受賞、キネマ旬報読者選定邦画ベストテン第1位に選ばれ、日本アカデミー賞では主演男優賞にノミネートされたそう。俳優としても活躍されたのですね。

 

「ダーリング」1978年

ピンクの背景と、外国人の女の子、そしてマリンルック。今は男性の間でもマリンルックが流行しておりますが、当時こんなにボーダーやベレー帽を着こなす男性はいなかったのではないでしょうか。スタイリングも、構図もすっごくいいと思いました。オマージュとして再現したいくらいです。

 

 

衣装や振り付けはもちろん、アクセサリーの使い方までこだわりを感じます。ここまでの流れでわかる通り、スタイリング、アートディレクションを担当していた早川さんと、沢田研二の相性がぴったりハマったというのも、彼がスーパースターになった所以ではないでしょうか。

・沢田研二が偉かった。タイトルからして流行語そのままみたいな曲を、普通の格好でマジで歌ったらみっともなくてしょうがない。オカマでも何でもいいからやるって事務所のトップに直談判しに行った。
・現在に至るまで、プロデューサーが替わったりして、2回ほど離れた時期があるんだけど、ジャケットずらっと並べてみると、俺がやったヤツって、すぐわかるでしょ?センスが合わない人にはまったく合わないんですよ。

(早川タケジのインタビューより)

 

世界観を作る側、それを表現する側。どちらかのセンスが欠けていたら、スーパースターは生まれていなかったでしょう。

 

「カサブランカ・ダンディ」1978年

イラストみたいな沢田研二とポップな背景のコラージュ。

 


お酒飲んでるパフォーマンス、ちょっと酔っているかのような動き、耳に添えている花、斜めにかぶったハット。ほんと徹底された世界観に感心してしまいます。

 

「S/T/R/I/P/P/E/R」1978年

いい。写真のトリミングもいいし、フォントの使い方も好き。こちらは沢田研二が作曲し、彼作曲のシングルとしては最高の36万枚のセールスを記録したそうです。


安定のイケメン。

 

「麗人」1982年

こちらのジャケット写真は、西洋諸国の国旗をバックにした大正のレトロ調を感じさせる作りになっているそうです。洋っぽいデザインが多いイメージでしたが、このように和を感じさせる作品もあるのですね。枠のあるレイアウトや、色使いもおしゃれ。

 

「ROYAL STRAIGHT FLUSH 1、2、3」1972年~1984年

このベストアルバムシリーズのジャケット写真がすっごいかっこいいのですよ、、。

ROYAL STRAIGHT FLUSH 1

 

ROYAL STRAIGHT FLUSH 2

 

ROYAL STRAIGHT FLUSH 3

この辺はかなりデヴィッドボウイ色が強いですね。当時の日本のアーティストでこれが成立してしまうところがすごい。早川さんのディレクションは全てイラストからの提案だったそうで、その時点で一つのアートだったと。そのイラストの世界観を実写化していくわけなので、沢田研二のアートワークの裏側は大変な作業だったと思います。一連のアートワークをみて思ったのは、良いものに時代は関係ないということ。色褪せないんですよね。

「男性のアクセサリー」や「化粧」、「バンドサウンド」を日本の一般家庭に浸透させ、歌謡曲とロックを融合させたのが沢田である。 早川タケジのデザインによる、羽毛のマフラー、アメリカのポリス帽、演奏中に煙草を吸う、短剣や拳銃を使用、ハーケンクロイツの腕章、背中に刺青、化粧、またウィスキーのポケットボトル、ブルーやゴールドのカラーコンタクト、金属の仮面、女性の裸身コスチュームを身にまとった。 沢田は常に帽子を斜めにかぶり、頰にほくろのある左目しか見せないポーズで歌うなど、エロティシズムと退廃美を帯びたスタイル、いわゆるグラムロックを日本のミュージックシーンにはじめて取り入れた

(沢田研二-ハーケンクロイツのつながり – エルペディアより)

 

 

「OLD GUYS ROCK」2018年

だいぶワープしましたが、こちらが一番新しいアルバムです。現在69歳。ご存知の方も多いとは思いますが、年齢を重ねて体型も変わり見た目がかなり変化しました。2002年自主レコードレーベルとなるJULIE LABELを設立したようです。メディアに登場することは極端に減りましたが、LIVE活動は現在も精力的に行なっており、歌唱力は衰えていないので、ファン層も増えているそう。

18才でこの世界に入り、いつまでもアイドルじゃないだろ。昔はジュリー、今はじじい。(中略)60才超えたら余生。ひそやかにやるのが今の自分に合っている

(2012年5月、朝日新聞)

 

沢田研二を決定的に変えたのは、2011年3月11日の東日本大震災。還暦前、「これからは言いたいことを自由に言う」と決めたという彼。しかし、3.11に直面し、打ちのめされたと。2012年以降、毎年3月11日に新アルバムを出し続けました。全作、テーマは「被災者への祈り」と「反原発」。福島原発を表す『F.A.P.P』(2012年)という歌では、《死の街は死なない》《何を護るのだ国は》と叫び、『こっちの水苦いぞ』(2015年)では原発再稼働を憂いた。2018年3月11日発売の新作「OLD GUYS ROCK」も被災地への祈り、脱原発への思いを歌った第7作目です。ジャケットにあるリストバンドは 東北大地震復興を願ったもので、PRAY FOR JAPANと書かれております。 その意味は、 「自分で考えろ」ということ。

ここに紹介していないものでも、本当にユニークで素敵なジャケットばかりでした。調べれば調べるほどその歴史やアートワークの裏側、変幻自在のキャラクター性に魅了されてしまいました。

早川さんの作品集、欲しくなってきてポチろうかとしたら、、

プレミア価格になっていて32,000円、、!!いつか絶対ゲットしたいと思います。
昔のジュリー、現在のジュリーどちらも異なる魅力があり、やはりスーパースター。今日もBGMはジュリーです。では。

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