ドールハウス(ミニチュアハウス)の第一人者「礒貝吉紀」をご紹介

河北さん
こんにちは!Doing ARTライター兼花粉症の河北です

ドールハウスと聞いてどんなものをイメージしますか?僕が思い浮かんだのはシルバニアファミリーやリカちゃん人形とかでした。

元々ドールハウスはイギリスの19世紀ヨーロッパの中流クラスの市民層で、女の子に与えられた玩具の代表的なもので、今では日本でもその魅力にとりつかれた作家さんがたくさんいらっしゃると思います。

ということで今回はそんな中から素晴らしいなと思ったドールハウス作家をご紹介したいと思います。

ドールハウス(ミニチュアハウス)の第一人者「礒貝吉紀」をご紹介

簡単に経歴です。

1933年3月生まれ、東京出身。
慶應義塾大学経済学部卒業後、1992年まで民放テレビ局に勤務。1970年はじめに欧米のドールハウスというものを知り、業務とは関係なうアンティーク・ドールハウスの調査取材を開始。同時に海外の現代作家と交流を図り、日本でドールハウスの制作を始める。

その後、数々の個展開催し約40年にわたってドールハウスに取り組んできた作品たちが下記です。

ちなみにドールハウスは一応サイズに決まりがあるみたいで、イギリスのメアリー王妃イギリスのメアリー王妃に1924年5月に贈られた「メアリー王妃のドールハウス」が、1フィートを1インチに縮小した1/12の縮尺だったことから1/12スケールが標準みたいなので写真はすべてそのサイズになっております。

 

マッキントッシュシリーズ

最初に紹介するのは磯貝氏の代表作でもあるスコットランド生まれの建築家・インテリアデザイナー「チャールズ・レニー・マッキントッシュ」(1868〜1928年)をもとに制作した「マッキントッシュシリーズ」です。特徴は背もたれの長い椅子でしょうか。

 

マッキントッシュ:玄関ホールとダイニング・ルーム

ダイニングとベッドルームと居間は実際にマッキントッシュ夫妻が実際に住んだ家ですが、実物は取り壊されて実際は現存しません。

なのでグラスゴーのハンターリアン・ミュージアムに復元された物からミニチュア化したものですが家具の位置などはほぼ正確に再現されております。

 

マッキントッシュ:居間

 

マッキントッシュ:ベッドルーム

ベッドルームに関しては視点によって家具類が重なり合うのを避けるために僅かに変更しているそうです。

 

マッキントッシュ:ミュージックルーム

こちらに関しては1990年代の前半までにはデザイン画と建築模型以外は写真が全く載ってなかったそうですが、1996年にイギリスのA House for an Art Loverに実物が建てられたそうです。それを元に制作されたのがこちら。

 

マッキントッシュ:図書資料閲覧室

こちらはチャールズ・レニー・マッキントッシュの出身校でありながら全面デザインを任されたというグラスゴー・スクール・オブ・アートというスコットランド唯一の公立美術学校の図書閲覧質です。

 

マッキントッシュの最高傑作と言われており、現在も学生たちが利用をしていますが時間を決めて見学できるそうです。位置は全体の雰囲気を実現するために変更しているそうです。

作品制作の参考とした本

  • John Mckean & Colin Baxter “Charles Rennie Mackintosh” Lomond Books
  • Anthony Jones “Charles Rennie Mackintosh” Studio Editions Ltd
  • Alan Crawford “Charles Rennie Mackintosh” Thames & Hudson Ltd
  • John Mckean & Colin Baxter “Charles Rennie Mackintosh POCKET GUIDE” Lomond Books
  • Fiona Davidson “Charles Rennie Mackintosh” The Pitkin Guide, Jarrold Publishing
  • “The Mackintosh House Hunterian Art Gallery, University of Glasgow

 

チューダーハウス

続いてロンドン・ドールハウス・フェスティバルでどうしても欲しくなって唯一購入したという
イギリスの作家、ロバート・スタップス氏の作品 チューダーハウスです。

イギリスのプロ作家は自分の専門分野を限定して作品を作るそうでハウスと家具を同時に手がけることはほとんどないそうです。

なのでテーブルや椅子、戸棚などのは作ったものをかざっているのだそうです。ロバート・スタップス with 磯貝ですね。

 

ロンドンのお店シリーズ

Dover’s SCALE MODEL SHOP

続いてはロンドンのお店は魅力的だということでロンドン旅行中に気に入った店や、もし自分がオーナーだったらというイメージから制作した「ロンドンのお店シリーズ」の中のひとつです。

第一次世界大戦中の古い飛行機などを見せたくて作ったとか。

ロンドンのお店シリーズには他にも

  • 中華料理店
  • 家具店
  • フィッシュ&チップス店
  • 帽子店

などがあります。

 

貴族の館のライブラリー

イギリスでは歴史的名建築を残すためにオーナー自身が館の一部を観光客に公開し、その入場料で税金や補習維持費をまかなっています。

そのような館には「ライブラリー」とよばれる大きな部屋があり、何世代にもわたって蓄積された膨大な数の愛蔵書が飾られています。こちらがそのライブラリーと言われる部屋です。

これを図書館と訳すとちょっと違い、書物だけではなく猟銃や切手、喫煙具のコレクションなども置いて至福の時を過ごすのもこの「ライブラリー」とよばれる部屋だそうです。

 

和風シリーズ

人形のある座敷

 

古書店

 

夏目漱石が我輩は猫であるを書いた千駄木の家

外国人が好みそうな「日本」を意識せず、日本の年配者が見ても納得のいく作品をということで制作されたこちらのシリーズ。

外国人の好みそうな日本情緒を排除したことがかえって正当にアピールでき、評価されたことで、外国のテーマを取り上げるときに「〇〇らしきもの」に捕らわれないようにこの頃から注意するようになったそうです。

日本シリーズは他にも

  • 江戸の小物
  • 呉服店
  • 電気店

などがあります。

 

サンフランシスコ・ヴィクトリアン

サンフランシスコのミニチュアリストの友達の家を訪問したときに、いつかこの家をドールハウスにしてみたいと思い帰国し、7年かけて完成させたものです。

特徴は明るい色の出窓。窓のひとつひとつがドアよりも大きいのがサンフランシスコの名物だそうです。中もしっかり作り込まれています。

ちなみに半地下室にあるこちらの工房は独断で勝手に仕立て上げたそうです。

 

ハイジが暮らした都会の家

「アルプスの少女ハイジ」の物語からいくつかのエピソードを設定してドールハウスの中に再現したもので骨格は第二次世界大戦後に復元されたゲーテ(ハイジの作者が好きだった詩人)の家をモデルにしてます。

こちらはサイズが大きい作品でいくつもの部屋が入ってます。

 

ヒルトップ農場のキッチン

ヒルトップ農場とは絵本のピーターラビットの作者であるヘレン・ビアトリクス・ポターが本の印税で買って住んでた家とか農場なんですが、磯貝氏が英国に滞在中に運良くピーターラビットの100年祭に巡り会い、ヒルトップを訪れる機会があったそうです。

その際、写真撮影禁止だったのでポストカードや書籍などをミュージアムで買って1番有名なキッチンを完成させたというのがこちらです。左側の壁の写真がなかったので挿し絵や建物の外観から推測したそう。

 

煙突に1673と記されたニュルンベルクの家

ロンドンの博物館に展示してあるアンティーク・ドールハウス。
昔のドイツのドールハウスを代表する作品で、日本に紹介したい一心で博物館の承諾を得て写真を撮影し、帰国後に複製したものです。

 

お気に入りのパブ

 

アメリカのドールハウス愛好者とイギリス旅行したときに滞在した小さな村で泊まったホテルのパブ。パブは元々はお酒の提供だけではなく、簡易宿泊所や雑貨屋の機能も備えた場所として18世紀から19世紀頃に発展したものだそうです。よほど居心地がよかったのか作ってしまったみたいです。

ということで、いかがでしたでしょうか?素晴らしくないしょうか。
まだまだ作品はありますが、現在は山形の致道博物館に寄付されて展示されております。

磯貝氏の実際に訪れて街並みを観察したり、撮ってきた写真をチェックしたりしてその国の人が見ても納得のいく作品作りを目指したというこだわりは相当なものだと思います。

写真だと伝わりずらいかもしれませんが、家具の色などもひとつひとつ違いますし、本なんかもちゃんとページがめくれるようになってたり、ほんとに細かくてよくこんなの作ったなと東京駅の展示会で出会った時はただただ衝撃でした。

もともとは愛娘のためにスタートされたドールハウス制作ですが、色々と勉強して人生をかけて作ったものがこうして亡くなられた後も残ってるのを見てるとやっぱり残るものを作りたいなあと強く思いますね。

ちなみに余談ですが、サグラダファミリアも設計図はなくガウディーもミニチュアを作っていたそうですよ。

ということでもしご興味あれば是非見に行ってみてください。

 

ドールハウスは昔の生活習慣を知ることができる貴重な資料

こんなに面白いものがあるということを人に伝えたいから作品を作ってますが、
見てくれた人がそれを感じて楽しんでくれると嬉しい

作る側の喜びが見る側の楽しさを誘うーーー それが理想ですね。 by 磯貝 吉紀

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