ウィーンの反日美術展で出会った会田誠氏の作品は表現の自由としてアリか?

河北さん
こんにちは!Doing ARTライター兼FPの河北です

先日ウィーンに行って来た時にたまたま入った日本の展示会がJAPAN UNLIMITEDがすごくて、ツイートしたところ興味ある人が多かったので、作品の全文載せときます。

ウィーンで日本の展示会やっていたので入ったら なんかヤバイやつでした。

首相が国際会議で世界中の国のみなさん鎖国しよう! って演説してるビデオが流れてたんだけど

これ絶対勘違いされる

その演説内容がプリントされて張り出してあってさも日本人がこれで英語の勉強してるみたいな感じで

 

会田誠氏の作品は表現の自由としてアリか?

動画作品全文

みなさん、こんにちは。私は日本の総理大臣であります。私は今日、この国際会議において、日本人を代表し、極めて重要な話をするつもりです。

まず、単刀直入に申し上げます。みなさん、今すぐ、全世界同時に、「鎖国」しましょう!

「鎖国」とは、日本の江戸時代今から約400年前から約150年間の250年ですがー当時日本を支配していた侍の王ー将軍ーが選択した、外交政策の名前であります。

その実践はごく単純なものです。他の国と関わらないーただそれだけのことです。

もう少し具体的に言いますと、まず、よその国に行かない/よその国の人を入れない、ということです。また、よその国から物を買わない、よその国に物を売らない、ということ。そして、よその国の人同士で出会わないーコミュニケーションがないということですからーよその国の人から学ばない/よその国の人に教えない、ということにもなります。

鎖国とは特別に難しい事ではなく、以上のことを守ればいいだけなのです。

私はこれを、日本が生んだ人類の叡智と固くしんじております。そして、この尊い教えを復活させ、世界に広めることが、神に与えられた私の使命であると私は信じて疑いません。そのためなら私のちっぽけな命など捧げても構いません!

さて現在この地球はすっかり「悪の思想」に覆い尽くされています。そのために地上にはいつまでも平和が訪れず、憎しみと争いと悲しみが常に溢れています。そして今や、人類はそのために滅亡の危機に立たされています。

その「悪の思想」の名前とはー言うまでもありませんー「グローバリズム」であります。

「国際交流は素晴らしい」「国際交流は大切」という言葉は明らかに間違っています。けれどそれだけならまだマシなのです。

問題はそれが「意図された悪魔のささやき」である点にあります。強い国が弱い国の生き血を吸うため、周到に用意された甘言ーそれが「グローバリズム」という言葉の正体です。

強い国と弱い国が出会ったらどうなるかーそれは歴史を見れば歴然としています。強い国の弱い国にたいする侵略、略奪、殺戮、奴隷化、強姦による混血、植民地化、搾取、同化政策、伝統文化の破壊、改宗その「悪」は枚挙にいとまがありません。

そしてそのような悪に対しては怨念が生まれ、報復という行動が引き起こされます。その報復にはまた報復が行われと、その行きつく先には、人類を滅ぼす地獄の業火しか待っていません!

日本もサムライの世が終わり、あの素晴らしい鎖国をやめてから、近現代ーすなわち帝国主義の道を歩み始めました。それがすべての間違いの始まりでした。そのことを、私は日本国の総理大臣として、今ここに、完全に認めます。

強い国の真似をし、自分たちより弱い国植民地にしたり、侵略戦争をしかけたりしました。そして多くの人々を貶め、傷つけ、殺しました。中国のみなさん、韓国のみなさん、その他アジアの国々のみなさん、この通り謝罪いたしますごめんなさい!!!

我々はもう二度とあのような愚行は繰り返したくないのです。そして世界にもー繰り返させたくないのです。

確かに現在においては、繁栄を誇ったインカ帝国を数年のうちに滅ぼしたスペイン軍のような、露骨な「悪」は見えないかもしれません。しかし断じて無くなってはいません!それは「グローバルスタンダード」や「新世界秩序」といった口当たりの良い名前に変えて、より陰湿に、より広範にこの地球を覆いつつあります。

人々は言うかもしれませんー「内政不干渉の原則があるからいいじゃないか。国家はすでに十分に独立しているじゃないか」と。

いいえ、違います。「人」と「物」、そして何よりも「情報」が行き来してしまったら、その時点で不平等な力関係は始まってしまうのです。

なぜかというと、それら3種のものが行き交うと、弱い国の中に、強い国の方に靡き、自分だけ得しようとする裏切り者が必ず現れるからです。いわゆる「ライオンの皮を被るロバ(虎の威を借る狐)」というやつです。「本当は実力のない卑怯なロバが力を持つ」という転倒が、ロバの国で起きるとどうなるか分かりますか?

まずは混乱し、内紛が始まります。その内紛に卑怯なロバが勝てば、ロバの国が長年大切にしていた自分たちの固有性は消滅し、ライオンの国の属国に成り下がるでしょう。笑うのは一部の卑怯なロバだけです。

一方、卑怯なロバが負けそうであれば、「弾圧だ!」とかなんとか言って、恐ろしいライオンたちが寄ってたかって、か弱いロバの国を恫喝し始めます。そしてライオンたちは隙を見つけてロバの国に噛みつき始めるでしょう。

どちらにしても、ライオンたちの思う壺です。こうして世界はライオンたちの思い通りの色に染まってゆきます。やり方が巧妙になっただけで、目的も結果も、インカ帝国を滅ぼしたスペイン軍からなんの変化もありません。

現代における「侵略者ピサロ率いるスペイン軍」ーすなわちライオンたちは、にこやかな表情で「人」「物」「情報」の往き来を完全に断つことーそう、鎖国しかないのです。

世界に本当にヒューマニズムがあるならば、今すぐ世界中の国際空港と大型旅客機を爆砕処理すべきです。さらに大切なことは、インターネットの回線をすべて切断するべきです。そのためには、すべての海底ケーブルの切断と、すべての通信衛星の爆撃が必要になるでしょう。

そんなことは難しい?できっこない?いいえ、できます。簡単なことです。ー我慢すればいいよです!すべては「意志の力」一つにかかっています!

例えば私はチョコレートが好きです。でも鎖国したら、明日からチョコレートは食べられなくなるでしょう。でもいいんです、我慢すれば!私は意志の力で、チョコレートの存在を忘れることにします。そんなものはもともと地球になかったことにします。そして小豆を甘く煮たものーアンコだけを食べてゆくことにします。

ほんの百年前まで我々はそうしたてきたのだから

できないはずはないのです。もう欲望を無限に追求するのはやめましょう。再び「途中で我慢すること」を思い出すのです。

みなさんもう他者に好奇心の目をむけるのやめようじゃありませんか。

我々はかつてのあの素晴らしい鎖国をやめてしまったあと、その間に育んだ独自な文化がヨーロッパで珍しがられ、それを内心喜んだことがあります。全く愚かなことでした。

他者の中に自分たちにないものを発見し、それを賞賛するだけでも私は卑しい行為だと思います。なぜならそこには必ず「自分たちもそれを所有したい」という欲求が芽生えるからです。「隣の家の食卓を覗いてヨダレを垂らす」のと同じ、恥ずべき行為です。

もう誰かを「オリエンタル」と呼んだり、誰かに「オリエンタル」と呼ばれたりーそんなくだらないことはやめようじゃないですか。他人を珍しがる心を捨て、ひたすら自分自身を濃くしていくことだけに専念すればいいのです。

さあ、再び、お互いに、孤立しましょう。この比喩はよその国のものだから本当は使いたくないのですが「バベルの塔」の建設をやめたあの時に戻り、時を止めましょう。それしか、人類を救う手立ては残っていません!

「バベルの塔」と言えばここでみなさんに申し上げておきたいことがあります。私は今、非常に不快であります。なぜだか分かりますか?

英語を喋っているからです!血塗られた歴史によって「国際語」の座を強引に奪い取った、この汚らわしい侵略者の言葉を!

いいですか?私は一国のトップに上り詰めた男です。1億人の中で最も優れた人間ということです。その男が「世界史上最も重要なスピーチ」を今、しています。しかし慣れない英語なので、その与える印象は、幼稚園児以下の愚鈍なものになっているでしょう。これは何と不平等なことでしょうか!

そもそも国際性とか普遍性というものは

 

こんな感じの内容を首相が拙い英語で演説しているという内容でした。

ツイッターにも書きましたが、

僕はバカなので会田誠という人が昔の総理なのかなと思い気になって調べてみるとそこで美術家の人だというのがわかり、初めてビデオは作品だったんだという事がわかりました。

なので、歴代の総理とかわかってる人は大丈夫と思いますが、ふと展示会に入ったオーストリア人および諸外国観光客にはもちろんわからないと思います。

 

作者の意図を汲み取るっていうのはすごく大事な事で

どういう狙いがあってとかを考えるって必要な事かもしれませんが、

でも、そんなことより結果的にどう受け取るかですよね。

作者の意図なんかファンでもないのに気にするわけがない。色々調べてすべて汲み取ってくれる客めったにいないですよ。

そう考えると

単純にパロディだろうがなんだろうが誤解を与えるんじゃないかなと思いました。

そして日本の政府の考えと違う事を作品とはいえ首相として言っている

これが表現の自由であればなんでもありだなと。

なので思ったのは「これ大丈夫か?」です

 

もちろん僕は偶然入ったので会田誠氏が嫌いとかそういったことはいっさいないです。こういったぶちかます人って大切ですし、ぶっ飛んでる人も好きですし、日本は常識から外れた考えを袋叩きにする傾向があるので色々な考えがあっていいと思います。

ただ、観ていて思ったのは単純に反日的な表現を使った売名行為なんじゃないのかな?と思いました。

もしくは本当に作品を通して日本を変えたいのか。

全体を通して感じたのは社会主義、共産主義思想の人達の展示会みたいだなという事。

共産主義

共産主義とは、政治や経済分野での思想や理論、運動、政治体制のひとつ、財産の一部または全部を共同所有することで平等な社会をめざす。その理念、共有化の範囲や形態、あるいは共産主義社会実現のための方法論などには古くから多数の議論があり、このため「共産主義」の定義は多数存在している。

社会主義

社会主義は、個人主義的な自由主義経済や資本主義の弊害に反対し、より平等で公正な社会を目指す思想、運動、体制。

歴史的にも社会主義を掲げる主張は多数あり、社会改良主義、社会民主主義、無政府主義、国家社会主義なども含む。

 

問題提起する作品というのは必要だと思います。

現代美術ってゴミを使ってなんか作ったりとか多いじゃないですか。音楽でも色んな社会問題を歌詞にしているし、芸術でそういった作品を作るのは全然ありだと思いますしちょっと過激にしないと人は反応しないとも思います。

ただこのやり方で炎上させて批判を受けて注目を浴びても日本人がそういった社会主義、共産主義いいね!の考えになるんだろうかと考えるとやっぱ売名のために利用してるのかなという感じ。

反日表現の作品をみたらほとんどの日本人は反日じゃないですから、僕と同じようにこれ大丈夫?と思うはずです。

そしたらツイートしたくなりますよね。反発もしたくなるし、やめさせたくなる。

なので芸術家が反日作品で名をあげるのは結構簡単なのかもと感じました。

これは、ある種僕自身の発見でもあります。

表現の自由というより

売名の自由

って感じですね。

とはいえ、正直ほとんど人いなかったのであまり影響はないのかなと。そういう問題ではないかもしれませんが。

 

JAPAN UNLIMITEDとは?

元々はオーストリアと日本外交150周年の記念イベントとして開催されたこちらの美術展ですが、
日本大使館は批判の声が上がった後公認を取り消したそうです。

会田氏の他にスプツニ子!など18アーティストの作品が展示されていて、「表現の不自由展・その後」に参加していた芸術家集団「Chim↑Pom(チンポム)」も参加しているようにコンセプトはリミットなしでって事なんだと思います。
限度なく自由にってことですね。

疑問としてでているのは日本大使館はなぜこの展示会を支援したのか?ということ。

僕は前知識なしで入ったので正直なんだこれ?って感じで
あまりわからなかったのも多いのであとで調べたものも多いのですが、他にも色々と作品は飾ってあり、どれも刺激的なものばかりでした。

昭和天皇を大砲で塗りつぶして侮辱したものや、昭和天皇とマッカーサー会談を揶揄したものなど。

みなさんパンクですね。

ということでまさかウィーンに行ってこんな展示会に出くわすとは思ってもいないので内心驚きました。

ちょっと遠いですが、興味のある方は是非行ってみてください。
ちょっと遠いわーという人は動画を作ったのでこちらご覧ください。どんな感じかわかると思います。

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