ドイツ ベルリン・ユダヤ博物館でユダヤ人の歴史に触れて感じた事

/ 9月 15, 2018/ Mr.Hamaji, ヨーロッパ, 旅のデザイン

Mr.Hamaji
こんにちは!Doing ARTデザイナーのMr.Hamajiです

アンネの日記

「アンネの日記」という本を覚えているでしょうか?小学6年生の頃、歴史の授業で勉強した第二次世界大戦の頃のドイツの歴史。独裁者と悪名高いヒトラー率いるナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)が行ったユダヤ人の大量虐殺。

その中でユダヤ人狩りから逃れるためにオランダ・アムステルダムの隠れ家で身を潜めて暮らしたユダヤ人の少女・アンネフランクの家族や同居人との生活が綴られたのがアンネの日記です。当時のアンネの年齢はわずか13歳。強制収容所で亡くなった年齢が15歳。

この本を小六の12歳の時に読んだHamajiはとてもショックを受けたのを覚えております。自分と同じくらいの年齢の女の子が、髪の毛を剃られて丸刈りになり、囚人番号の刺青を掘られ、裸にされ、食べ物もろくに与えてもらえない。目を背けたくなりました。ただ、ユダヤ人に生まれたというだけで。

しかし、こんな歴史があったというのも真実。Hamajiは勉強が嫌いでしたが、こういった真実をしっかり勉強して後世にも伝えなければいけないと強く思った事を覚えています。

と、そんなことをぼんやり思い出したので、ドイツでベルリンに行ったら絶対行こうと思っていたベルリン・ユダヤ博物館。氣分が落ちるというのは覚悟していましたが、平和な時代に生きているからこそ、とても重みのある貴重な経験だったと思います。

 

ベルリン・ユダヤ博物館

2001年にドイツの首都であるベルリン・フリードリヒスハイン=クロイツベルク区に開館したベルリン・ユダヤ博物館。1千年紀から今日にいたるまでのドイツのユダヤ人の歴史や生活の記録を収集、研究、展示しています。

最初のユダヤ博物館は1933年にオラニエンブルガー通りで設立されていましたが、1938年にナチス政権により閉鎖されてしまいました。

1_ドイツベルリンユダヤ博物館の正面

上から見ると引き裂かれているような特徴的な建築の全貌が見えます。こちらの設計者は、ポーランド生まれのユダヤ系アメリカ人建築家ダニエル・リベスキンド。ダニエルの両親はユダヤ系で、ホロコースト(大量虐殺)の生存者だそうです。

1989年に、こちらのベルリン・ユダヤ博物館のコンペで設計者として当選し、以降美術館や博物館の設計の仕事を手がけています。デンマークのユダヤ博物館、イギリスのヴィクトリア&アルバート美術館など。

アメリカ同時多発テロ事件後の世界貿易センター跡地再建コンペにも当選。「フリーダムタワー」の設計者としても知られています。

2_ドイツベルリンユダヤ博物館の空撮

(空撮写真はwikipediaよりお借りしました。)

正面からではこの構造はわからなかったので、館内に入って館内地図をみてとても特徴的な形だということがわかりました。

ドイツベルリンユダヤ博物館の地図

薄暗い階段を降りていくと、敷地の地下を端から端まで斜めに貫く「軸」という名の地下通路が交差している分かれ道が訪れます。その軸はそれぞれ、ドイツにおけるユダヤ人の生き方を象徴しているそうです。

ドイツからの亡命を象徴する「亡命の軸」、ドイツの歴史の中での継続性を象徴する「持続の軸」、さらにこれらを横に貫く「ホロコーストの軸」。

展示ブースはとても狭く、圧迫されているような設計になっていました。通路にはホロコーストの犠牲者達の遺留品などが展示されています。とても生々しく、見ていて胸が苦しくなりました。「ホロコーストの軸」の突き当たりには、ホロコーストタワーと呼ばれる小さな部屋があります。中は真っ暗。

ひんやりと冷たいコンクリートに囲まれた狭いその部屋の天井の隙間から差し込むわずかな光。とても静かで、緊張感がある展示室。その空間はホロコーストに遭ったユダヤ人の心情が表現されていました。

ドイツベルリンユダヤ博物館の赤い部屋

ドイツベルリンユダヤ博物館のホロコーストの塔

その先にある「亡命の軸」の外に出ると、「亡命の庭」があります。こちらは地下に向かって掘られた庭があり、床が急角度で傾いており、傾いた床に垂直に49本のコンクリートの柱が並んでいます。柱の上には、平和と希望の象徴である、オリーブとグミの木が生い茂っています。

柱の数である49はイスラエル建国年の1948年に1を加えた数字で、48本の柱の上にはベルリンの土が、残る1本の柱の上にはエルサレムの土がはいっており、両国の繋がりを示しているそうです。また柱は7×7=49本で並べられており、7という数字はユダヤ教の聖なる数とも言われてます。

ドイツベルリンユダヤ博物館の亡命の庭

 

外から見る博物館の傷だらけにも見える壁は本当に痛々しく、印象に残ります。

ドイツベルリンユダヤ博物館の壁

 

そしてこの博物館で一番見たかった、「記憶のヴォイド」地下から3階までの20メートルほどの天井。ここにはイスラエルの彫刻家であるメナシェ・カディシュマンのインスタレーション「Shalechet(Fallen Leaves)」があります。10,000枚の丸い顔のような鉄板が床一面に敷き詰められています。

ドイツベルリンユダヤ博物館の記憶のヴォイド

ドイツベルリンユダヤ博物館の記憶のヴォイド

一枚として同じ形のものがない、人間のような鉄板。その表情は、苦しみ叫んでいるようにも見えました。この上を歩くことができ、歩くと金属が擦れ合ってとても大きな音が館内に響くそうです。踏まれた音はユダヤ人達の悲痛な叫びにも聴こえます。

鉄板とはいえ、人の顔のようなものを踏んで歩くことは私にはできませんでした。あまりの迫力と静かな空間。いろんなことを考えさせられました。

約2時間ほどでゆっくり館内を周れます。実際にあった歴史をたどるというのはこちらも胸が痛くなるし、目を背けたくもなります。だけど戦争やこういった大虐殺という悲劇が歴史上に実在していたことは真実であり、その上にある今日の平和だということ。

決して忘れてはいけないなと思いました。広島や長崎に行って歴史の現実を見て、戦争を知らない世代にも平和の尊さを伝えていけるようにしようと思います。

では。

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