ロマネスク実験とは何者か。市ヶ谷発の浪漫派ポップユニットを聴く

ロマネスク実験とは何者か。市ヶ谷発の浪漫派ポップユニットを聴く

インディーズシーンを漁っていると、たまに「これは」と手が止まる名前に出会います。ロマネスク実験もそのひとつ。市ヶ谷発、浪漫派オルタナティブポップユニットと自ら名乗る3人組で、2024年1月に結成されました。

ユニット名の響きからして独特です。ロマンチックという言葉と、実験という言葉。相反するようで、実はこのふたつが同居しているところにこのユニットの面白さがあります。甘さだけでもなく、実験的すぎて聴きにくいわけでもない。そのちょうど中間の座り心地を、名前の時点で提示しているわけです。

メンバーはボーカルのナラかほ、作詞・作曲・プロデュースを手がける成山まこと、そして2025年10月に加入したギターのそうってぃーの3人。ナラかほは「Miss iD 2022」でスピリット・アワードを受賞した経歴を持つフロントシンガーで、成山まことは元Retro Girlのキーボード担当という肩書も持っています。もともとの拠点は名古屋でしたが、2025年1月にメンバーが東京へ移り、本格的な活動が始まりました。まだ動き出したばかりのユニットだからこそ、今のうちに聴いておく価値があります。

音楽性:懐かしさとエレクトロが同居するポップス

自称ジャンルはオルタナティブ・エレクトロニック。ギターの生々しい質感と、打ち込みの電子音が同じ画面の中で共存しているサウンドです。古い邦楽ポップスを聴いて育った人がふと感じる「懐かしさ」と、今の時代らしい電子音の手触りが、違和感なく手を組んでいます。

刺さる人を具体的に言うなら、渋谷系やゼロ年代前後のギターポップが好きだった人。あとはボーカルの「歌をしっかり歌う」スタイルに惹かれる人です。ウィスパー系の記号的な歌い方ではなく、感情を乗せてまっすぐ届けてくる歌い方だから、口ずさみたくなる曲が多い。メロディの手数も多めで、一度聴いたら気づけば鼻歌になっている。そういうタイプの中毒性があります。

これまでにアルバム「SPQR」(2024年)、EP「無秩序とパッチワーク」(2025年)、シングル「わがままキラー」「まほろば」(ともに2025年)と、コンスタントに作品を発表してきました。「調子のいい人」「ペパロニ」「FOCUS」「ネガポジ日誌」「夢みるクラゲ」「ロマンス実験中」「ざわめき白昼夢」など、タイトルだけ並べても言葉のセンスが独特なのがわかるはずです。ひとつひとつの曲が長すぎず、聴き疲れしない尺にまとまっているのも地味に嬉しいポイント。通勤中や作業中に流しっぱなしにしても邪魔にならない、ちょうどいい距離感の音楽です。

作詞作曲を手がける成山まことは、キーボード奏者としての経験もあってか、楽器の音色選びに気を配っている印象があります。派手なアレンジで押すのではなく、必要な音を必要なだけ鳴らす引き算の作り方。だからこそボーカルのメロディがまっすぐ届いてくるのだと思います。

まず聴くべき曲

代表曲としてまず挙げたいのが「オーバーライト」。ユニットの持ち味である浪漫派ポップスの輪郭がいちばんはっきり出ている一曲です。

もう一曲は「調子のいい人」。タイトル通り軽やかで、初めてロマネスク実験を聴く人への入り口としてちょうどいい温度感です。

今後の注目ポイント

2026年5月には最新EP「バジルが足らない」をリリース。6曲・21分というボリュームで、これまでの楽曲の広がりを一枚にまとめた内容になっています。東京へ拠点を移してから本格的に動き出したばかりのユニットなので、ライブ情報や新曲の解禁ペースはこれから加速していきそうです。名古屋から上京してきたメンバーが、東京のシーンでどう存在感を広げていくのかも見どころのひとつ。最新のライブ日程やチケット情報は、公式X(@romanesupue)や公式YouTubeチャンネルで随時発信されているので、そちらをこまめにチェックしておくのが確実です。

よくある質問

Q. ロマネスク実験はバンドですか、ユニットですか?
本人たちは「浪漫派オルタナティブポップユニット」と名乗っています。編成としては、ボーカル・作詞作曲・ギターの3人で活動しています。

Q. どこで音楽を聴けますか?
Spotify、Apple Musicなど主要サブスクリプションサービスで配信されているほか、公式YouTubeチャンネルでMVを見ることができます。過去作から最新EPまで、まとめて聴き比べてみるのもおすすめです。

まとめ

  • 市ヶ谷発、2024年結成の3人組ポップユニット
  • ボーカル・作詞作曲・ギターという明確な役割分担
  • ギターの生音と電子音が同居する、懐かしさとエレクトロの融合サウンド
  • アルバム・EP・シングルを着実にリリース、2026年5月には最新EP「バジルが足らない」

知名度はまだこれから、というタイミングです。今のうちに聴いておけば、後で早耳自慢ができるかもしれません。

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