デザイナーが憧れるデザイナー8人(国内編)
今日は一人のデザイナーとして憧れるデザイナーたちを紹介したいと思います。
ではさっそくこの人から。
亀倉雄策
代表作にフジテレビジョンの旧シンボルマーク(8マーク)や日本電信電話(NTT)のマーク(ダイナミックループ)、1964年東京オリンピックのポスター、サンケイアトムズおよびヤクルトスワローズのユニフォームなどがある。
wikipedia
https://matome.naver.jp/odai/2135239122828639001
日本のデザイン界の第一人者。美大の最初のグラフィックデザインの授業にほぼ必ず出てくる人物でしょう。代表作の東京オリンピックのポスターは今見ても本当にクール。Macがなかった時代、レイアウトにどれほどの時間と調整が必要だったのでしょうか。想像もつきません。研ぎ澄まされたバランス感覚を身につけるには、Macを使用しないものづくりも必要だなと感じます。
中村誠
資生堂の黄金期のアートディレクター。中村さんも戦後のデザイン界を背負ってきた第一人者です。出身が岩手で同じ東北だったため、通っていた美大の授業で何度かお話を聞く機会がありました。東京のオフィスに伺った際は、当時70歳を超えていましたが楽しそうに新しい作品を作っていました。
生涯現役、それがものづくりする人の強みかもしれません。中村さんも、Macがない時代から活躍していたアートディレクターなので手作業をとても大切にしていました。デジタルや合成だけじゃ表現しきれないものの大切さを教えてくれた方です。
KIGI(ユニット) 渡邊良枝 植原良輔
日本や海外でもとても人気のあるデザインユニット。美大生に好きなデザイナーは?と質問すると高確立で彼らの名前が挙がります。元ドラフト(こちらも大変有名なデザインカンパニー)出身のお二人。サイトを見てもらうとわかりますが、かなり洗練されていますよね。渡邊さん(女性)はイラストレーターとしても国内外で多くの賞を受賞しています。
普通はイラストレーターとグラフィックデザイナーが組んで一つのデザインが出来上がりますが、自分のイラストにどんなデザインが合うのか本人が一番理解していると思うので両方できるっていうのはとても強いですよね。繊細で美しい線、渡邊さんのデザインは女性らしさが際立っていてコンセプトもしっかりしています。植原さん(男性)と組んだのも、彼が彼女の良さを引き出すデザインができるからだと思います。
野田凪
東京都生まれ。両親は共にクリエイターで、1歳の時に映画や舞台や能を200本鑑賞させられたり、色を想像する訓練のためにモノクロのテレビを見させられたりなど、独創的な教育の元に育つ。
女子美術大学付属高等学校・中学校、女子美術大学芸術学部造形計画デザイン科卒業。女子美に10年間在籍し絵画とデザインを学ぶ。女子美術大学卒業後はI&S、大貫デザイン、サン・アドを経て独立。wikipedia
2008年没。
若くして亡くなってしまいましたが、Hamajiも大ファンでした。高校生の頃、アートディレクターって仕事についてあまり良くわかってなかったとき、ティーンズの雑誌で、YUKIのCDジャケットができるまでという特集がありました。このジャケットですね。
YUKIに似てる女の子をたくさん集めて一発撮り。合成でできそうなことをあえてアナログでやるという手法が彼女のやり方でした。白黒の世界をただPCで色変換するのではなく、人や物に白、黒、灰色を塗って、モノクロの世界を作るというような。想像を絶する作業ですね、、。しかしそこから生まれた物は合成では表現できないリアルさがありました。クライアントにはすごく好評だったそうですが、一緒に仕事したカメラマンや、スタイリストのインタビューを見ると、本当妥協しない人だったから大変だったと。撮影が発生する仕事はこういうのが面白いですね。修正がきかないライブ感。
彼女が亡くなったときは本当にショックをうけました。生きていたらどんな作品が世の中を彩っていたのでしょう。彼女亡き後は、彼女の会社から独立した吉田ユニ氏が後を継いでます。今本当に売れっ子。
https://matome.naver.jp/odai/2134003655870044101
吉田ユニ
女子美術大学付属中学校・高等学校、女子美術大学芸術学部デザイン科造形計画専攻卒業[2]。中学校から大学まで女子美で絵画とデザインを学ぶ。
女子美術大学を卒業後、大貫デザインへ入社。大貫卓也に師事し、ラフォーレ原宿25周年キャンペーン、新潮文庫「Yonda?」キャンペーン等の制作に携わる。
野田凪が主宰する宇宙カントリーにアートディレクターとして参加し制作活動を行う。
2007年に独立。広告デザイン、プロダクトデザイン、装丁、CDジャケットデザイン、パッケージデザインなど各方面で活躍。「吉田ユニ」はアーティスト名で本名は非公開。wikipedia
中島英樹
埼玉県出身。坂本龍一のCDジャケットのデザインや『Cut』やEテレの『ETV特集』のロゴデザイン、講談社の講談社現代新書の装丁(2004年‐)で知られる。
wikipedia
http://www.nkjm-d.com/index.html
日本のデザイナーでは個人的に一番好きです。短大の卒業制作で、ミュージックアートを制作したのも、直前に彼の個展に行ったため。美大生・Hamaji、すーぐ影響受けてました。デザイナーは感覚派と論理派の2つのタイプに分かれると言われています。感覚派は想像力でものづくりをするので、すごく自由。奇想天外なものを生み出します。どちらかというと、アーティストタイプですね。
論理派は、最初に立てたコンセプトから、計算して緻密なデザインを作り上げる。広告などの戦略が絡んだデザインが得意な人はこっちに属していると思います。中島さんは感覚派ではないでしょうか。なので音楽関連のデザインが得意なのかなと勝手に思いました。タイポグラフィーの使い方や、ビジュアルの作り方などCDジャケットデザイナーの木村さんも、「中島さんの仕事はすべてのバランスが完璧」と言ってました。
http://doing-art.co.jp/designofspitz
木村豊(Central67)
CDジャケットを中心にミュージックビデオの監督や本の装幀、ツアーグッズ等のデザインを手がける。
東京都出身。日本デザイナー学院卒業後、ソニーCBSデザイン部勤務を経て1995年にデザイン事務所Central67を設立。椎名林檎、スピッツ、SUPERCAR、メレンゲなどのアートワークを手がけている。wikipedia
日本で唯一のCDジャケットデザイナー。数多くのCDジャケットを手がけています。中島さんは感覚派と言いましたが、木村さんは論理派寄りな気がします。たいてい、CDジャケットは海外の作品へのリスペクトや憧れが強すぎて、英語入れて、きれいな外国人モデルとかっこいいフォグラファー使えば間違いないというのが多いのですがこれだけ数多くのCDを手がけているのに、感覚的なビジュアルのものにも一つ一つコンセプトがしっかり見えます。
木村さんのデザインは、日本語のフォントの細部までしっかりデザインされているし、あえて日本人のモデルじゃない女の子を起用したり、トリミングの仕方にも多くの工夫があります。音楽がすごく好きなのも伝わってきます。
以上、海外編に続く、、