風刺漫画家ジョン・キャラハンの伝記映画 「Don’t Worry」感想

Mr.Hamaji
こんにちは!Doing ARTデザイナーのMr.Hamajiです

今月観た映画はDon’t Worryという洋画。

これは実在したポートランドの風刺漫画家ジョン・キャラハンの伝記映画です。今回は観たいものをあらかじめチェックしてから行きました。予告編で流れてたジョンレノンのIsolationがとてもマッチしてた。

大きな映画館で上映されているものは、長い期間上映しているしメジャー感があるので、今回はミニシアター系で上映期間も短いものを選びました。今だからこそ出会える映画を探して。場所は久々に行った新宿武蔵野館。

上京したての頃は、新宿に近い所に住んでいたので、結構行った記憶があるのですが、多分もう10年以上ぶりです。オシャレに生まれ変わってて驚きました。

映画館新宿武蔵野館

今回もネタバレ満載なので、映画館で観たい!という方は見終わってから是非またお読みください。

 

Don’t Worry あらすじ

ドントウォーリーの映画ポスター

アメリカオレゴン州ポートランド。アルコール依存症の、ジョン・キャラハン(ホアキン・フェニックス)は、飲酒運転により自動車事故に遭い一命を取り留めたが、胸から下が麻痺し、車いすでの生活を余儀なくされる。

絶望と苛立ちの中、ますます酒に溺れ、周囲とぶつかる自暴自棄な毎日。しかし幾つかのきっかけから自分を憐れむことを止め、過去から自由になる強さを得ていく彼は、持ち前の皮肉で辛辣なユーモアを発揮して不自由な手で風刺漫画を描き始める。

人生を築き始めた彼のそばにはずっと、彼を好きでい続ける、かけがえのない人たちがいた。2010年、59歳で他界した世界で一番皮肉屋な風刺漫画家の奇跡の実話。2014年に他界したロビン・ウィリアムズが製作・主演を熱望した風刺漫画家ジョン・キャラハンの自伝を元にした本作。

 

Don’t Worryのおすすめポイント

ドントウォーリーの上映スケジュール

1.魅力的なキャッチコピー

映画を選ぶ時は予告編を見たり、フライヤーを見て面白そうなものをという感じが多いのですが、この映画はキャッチコピーに惹かれました。「弱いほど、強い人間になれるんだ。」というコピー。

Hamajiは名言や格言に弱いとこあるので、この言葉はスッと入ってきました。こんな記事を書いても、すぐに強くて優しい人間になれるわけではないので、やはり時々弱気になったり孤独を感じたりもします。そういう時にこういった強い言葉はお守りになりますね。

救われること、許すこと。絶望のどん底で苦しみもがき、怒りの嵐に翻弄されながらも、過去から自由になり、背を向けていた世界に心を開き、自分自身を許していくキャラハン。

四肢麻痺の身体で生きる彼の、アルコール依存症からの回復のプロセスでもあるその歩みを、本作は、強烈で愛おしい、真実味のある人生の物語として提示する。

そこには、かけがえのない人たちとの時間、そして、才能を開花させた彼のアーティストとしての業や情熱が、生きていくための力の源として存在する。

観る者は、その心の旅を共にしながら、彼が描くタブー知らずの風刺漫画のテイストにも似た、強烈で可笑しくて生き生きとしたキャラハンを、いつのまにか大好きになっていることだろう。たとえ人生最悪の時にあっても、人は変われる力を秘めている。

やさしさと希望の力を信じさせてくれる、ひとりの男の心の旅が、美しい映像とともに心に響く。

 

2.美しすぎるルーニー・マーラが出演している

こちらの記事にもご紹介した、ドラゴンタトゥーの女主演のルーニー・マーラ。様々な役を演じきる彼女。Hamajiはただのファンです。笑 ルーニーが出てるだけで見ちゃう映画多いです。ファンすぎて色々調べたんですが、アフリカ ケニアのナイロビにある最も大きなスラム、キベラの貧しい孤児たちを助ける非営利団体Uwezaの創設者でもあるそう。女神ですか?

ドントウォーリーのルーニーマーラ

Don’t Worryでは主人公キャラハンの恋人役を演じています。画面に登場する彼女はただただ美しい。ルーニーの麗しい姿を拝めるだけでも見る価値ありです。

 

3.ロビン・ウイリアムズが制作・主演を熱望していた作品

ロビン・ウイリアムズはご存知ですか?2014年に亡くなってしまいましたが、アメリカを代表する俳優でありコメディアンです。

映画だと、グッドウィルハンティングやミセス・ダウト、アラジンのジーニーの声などなど。かなり有名な作品に出演してるオスカー俳優。そんな彼が制作・主演を熱望していたというので、この映画は絶対面白いんだろうなと思いました。

彼が出てる映画ほんと面白いものばかりなので。彼の意思を継いで主役を演じた俳優ホアキン・フェニックスは、キャラハンについて可能な限りを研究。書籍を読み、残されたインタビューテープをみて、実際に彼の人生を激変させたリハビリセンターを訪ねたり。

そして個人的にキャラハンを知るガス・ヴァン・サント監督からも話を聞き、彼なりのジョン・キャラハンを創り出したそうです。もうね、映画の途中で、ロビンとホアキンが重なって見えてくるんですよ。

 ドントウォーリーのホアキン

ロビンが熱望していた役というのがすごく理解できたし、役になりきっていたホアキンも素晴らしかったです。結果、ホアキンの俳優人生で最高の1本と評価されているそう。きっと天国のロビンも大満足ですね。

 

4.アルコール依存症からの再生が深く描かれている

この映画に出てくる大きなテーマの一つが、アルコール依存症から少しづつ立ち直っていく主人公の描写。アルコール、ドラッグ、セックス、ギャンブル、DV、、人が何かに依存する理由って、結局は満たされない何かを満たそうとしてなんだと思いました。

この映画の主人公の場合は、幼い頃に母親に捨てられて養父母に育てられ、お酒に手を出したのは13才から。愛情に飢えて、飢えて、それをかき消すかのようにお酒を飲む。そして自暴自棄になり、また飲む。その繰り返し。他の依存症も同じなんだと思います。やめたくてもやめられない。

この映画の主人公のように、自分の得意なことを見つけたり、手を差し伸べてくれる周りの環境次第で解決できることなのかもしれませんが、抜け出せる人は少ないのが現状なんだと思いました。

立ち直りたいという本人の意志はもちろんですが、苦しんでる人がいたらただ見捨てるんじゃなくて手を差し伸べられる人であろうと思いました。依存症は決して遠いところの話ではなく、いつ自分が陥ってもおかしくない病気だと思います。深かったです。何かしらの依存症を抱えている方には是非見てほしい映画です。

とまあシリアスな描写もありましたが、全体的にじっとり不幸な感じでもなく、非常に観やすいです。四肢麻痺の状態で得意であるブラックユーモアと、イラストの才能を開花させ風刺漫画家になるというキャラハンの人生は、きっと今未来が見えない人たちの希望になるはずです。

”あなたは特別だからこそ試練を与えられた”と捉えて前向きに生きる姿はこちらも勇気をもらえます。

いかがでしたでしょうか?ちょっとでも面白さが伝われば幸いです。

では。