アカデミー賞作品賞受賞の「グリーンブック」がよすぎたので感想(ネタバレあり)
3月に観た映画は「グリーンブック」です。特にチェックしていたわけでもなく、仕事終わりに映画館にふらっと寄ってなんとなく選んで観たのですが、、これがここ数年観た映画の中で一番よかった。笑
終わったあとの心のホカホカ度がはんぱなくて、いまだそのホカホカは続いています。最初に言っておきますが超ネタバレ記事なので、これから観に行くって方は読まないことをお勧めします。
グリーンブックあらすじ(ネタバレあり)
1962年のアメリカ。ニューヨークのナイトクラブで用心棒を務めるトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は風貌はマッチョでワイルドですが、中身はテキトー&ガサツで無学。いつも明るくポジティブで、家族や周囲から愛されています。ある日、トニーは「神の域の技巧」を持ち、ケネディ大統領のためにホワイトハウスで演奏したこともある天才ピアニスト、ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)のコンサートツアーの運転手として雇われます。まだまだ人種差別が根強く残る時代に、黒人への差別と危険が多い南部のコンサートへ挑むシャーリー。 粗野で無教養なイタリア系用心棒と、インテリな天才黒人ピアニストという何もかも正反対な二人が、黒人用旅行ガイド(グリーンブック)を頼りに、ツアーへ向かいお互いを知り、どんどん打ち解けていく心温まる友情のストーリー。実話がもとになっているお話です。第91回アカデミー賞では作品賞など三部門で受賞。
人種差別について感じたこと
一番衝撃的だったのは、1962年当時の黒人への差別の描写です。主人公であるトニーも、イタリア系の白人なので最初は黒人への差別用語を多用します。シャーリーが演奏するツアーの先々でことごとく描かれている黒人差別のシーンは見るたびに心が痛くなるし、なぜこんな悲しい歴史が繰り返されるんだろうと苦しくなりました。
日本にいる限りでは人種差別を感じるということはありませんが、海外に行くと「おっと今のって?」と感じるようなシーンはHamajiでもありました。そういう時に初めて分かるんですよね。差別される側の人の気持ちが。
近年、いろんな国の人やいろんな人種の人たちと話ができるようになって思ったのは、日本の教育やメディアから刷り込まれてきたイメージってほんと信用できないなということです。
日本人は白人に憧れが偏ってますが、それも一つの偏見だし、よくないイメージばかりがピックアップされている、中国人や韓国人も、個人として向き合えばすばらしい人達がたくさんいました。
日本には人種の壁がないのに、社会的立ち位置はどうか、年収はどうか、顔が整っているかどうか、体型がどうかなどなど。そういったステータスやルックスでしか人を判断できない人がとても多いと感じます。
電車に乗ると聞こえてくる会話一つにしても「あの歳であれはきつい。」「年収やばそう」「痩せなきゃ、かわいくならきゃ」「あの人はイケメン、あの人はブサイク」こんな会話が当たり前のように聞こえてくる異常事態。
Hamajiも広告を作る側の人間なので、ナチュラルな人間の肌をツルツルの漫画のようにレタッチしたり、若返らせたり、痩せさせたり。
やりながらも、見た人たちがこれが当たり前の美しさだと植えつけられてしまったら、人々の理想や欲望はさらに高くなり、より外見だけの美しさを求めるようになるのかなと複雑な気持ちになります。だけどこれで仕事がまわって、ここから収入を得ているのも確かなので、なんだかなーと思ったり。
グリーンブックを観て一つ決意したのは、今後もいろんな職種、国、人種の人たちと話をして、人の本質や心の美しさを見抜ける目を持てるようになろうと思いました。疑問に思ったことは自分で問題に触れて、自分で納得しないとなかなか真実にたどり着けません。
河北さんのこの記事も、初めてタイトルを見た時は正直戸惑いました。本当にこれを出していいのか。軽視していると思われないのか。
もちろん、日本という裕福な国に住んでいる私たちからみたら、この環境は衝撃を受けます。貧困で亡くなってしまう方もたくさんいると思うし。
でも河北さんがここで感じたことはかわいそうとか、不幸とかそういう感情だったのでしょうか?私はこの記事からそんなことは一切感じませんでしたし、どんな環境にいても明るく笑顔を絶やさずに小さなことにも幸せを感じられる人たちがこの世にはたくさんいるんだなということがわかりました。いつか自分で足を運んでみようと思ってます。
私自身、普通の教育を受けてきて、たくさんのメディアに惑わされてきた人間です。コンプレックスもあるし、好き嫌いもあるし、人を見かけで判断してしまった時もあります。
だけど歳を重ねて、少しづつわかってきたことがたくさんあるので、自分の目で見て行動して判断するというのはこれからもブレたくない一つの軸です。
グリーンブックでも、黒人差別をする白人もたくさん出てくるのですが、手を差し伸べてくれる白人の描写もありました。
主人公であるトニーもまわりに刷り込まれてきたイメージのみで、黒人差別をしていましたが、実際にシャーリーの運転手をつとめ、彼と本音で語り合ったことにより最終的に親友となり、黒人差別するような発言もなくなり、自ら彼の助けになる行動をするようになっていました。
グリーンブックに学ぶ名言
この映画で印象に残っている言葉が、孤独なピアニストであったシャーリーにトニーが言った、
寂しいときは自分から先に手を打たなきゃ。
ほんとそうですね。待っていても誰も孤独から救ってはくれません。自分で手を打ちましょう。
そして、 シャーリーがなぜわざわざ黒人差別の強い南部でツアーをまわったのか。旅の中でずっとその疑問が解けなかったトニーですが、最後にスタッフからこの言葉を伝えられます。
勇気が人の心を変える
白人から差別されようとも、シャーリーはずっと耐えて笑顔でステージでピアノを演奏し続けました。その強い勇敢な姿にHamajiはとても勇気をもらいました。
主演を演じているヴィゴ・モーテンセンとマハーシャラ・アリのコンビはほんと最高。何度も笑いました。
いかがでしたでしょうか?もう観た人も観てない人も。この映画から学ぶことがたくさんあると思います。一人で観てもとても元気になれる映画だと思います。
では。