自主制作におすすめ!自宅をスタジオにして撮影敢行してみよう【予算2万】
最近はもっぱら節約にハマっておりますHamajiでございます。「お金がないなら知恵を」という言葉がここ数年のモットーです。
フリーランスになってから気づいたんですが、今までどんだけ無駄遣いしてきたんだろうと思います。節約を意識し始めたら、本当に必要なものを考えるようになったので、買い物も楽しくなったし、外食が減って料理することも楽しくなったし、謎に体重も落ちてきました。
いいことづくしです。わたくしのモチベーションは月の支出を最低限に抑えて、その分を旅行用の資金にまわすこと。収入が増えているわけでもないのに、いろんなとこに旅行に行けたのはこのおかげだと思います。無駄を省いて自分の好きなことに投資しましょう。最高の投資です。
そんな節約のHamaji、陶芸やったり、ジャケット作ったりと、自主制作の部分にかかる費用もなるべく抑えたい派です。もちろんお金をかけるとその分クオリティもあがるので、投資するとこは投資するのですが、なるべくギリギリまでどこまで自分の手でやれるか考えるようにしてます。
BEN は立ち上げから4年かかりましたがデザフェスで貯めたお金で小さな窯を購入しました。今後かかる費用は材料費だけです。一番最初はもちろん多少のお金が必要ですが、その後は出展費もすべて売り上げから出せますし、続けていくとクオリティも上がり、ファンも増えてくるのでとてもやりがいがあり楽しいです。
自主制作でのデザフェス出展はほんとおすすめです。
もう一つ続けている自主制作が、2014年に始動したTHE 810xのジャケット制作です。
ここに書いた2015年のジャケットに関しては、すべて自分達で撮った写真やイラストから作られているので、かかった費用でいうとゼロです。マジで。
ただ、CDジャケットというとアーティストの写真を使ったものやめちゃくちゃかっこいい物撮りだったり、その域に達するにはクオリティの高いレンタルフォトを購入してレタッチャーに発注して合成したり、プロのカメラマンにお願いしたりしないと無理だよなと思うところがありました。
当時のHamajiのスキルといえばちょっとレタッチができるくらいで、撮影スキルもゼロ、合成スキルもゼロ。正直、自分で撮影して合成してクオリティの高い作品に仕上げるのは無理でしょ、絶対プロの力が必要という甘えがありました。
そんなHamajiに衝撃が走ったのは、2016年。当時のオンライン英会話の先生との出会いでした。彼の名はFilip(フィリップ)。セルビア出身のフォトグラファー兼イラストレーター兼グラフィックデザイナー。
アートが好きとプロフィールにあったのですが、話しているとなにやら写真も撮るしイラストも描くし、デザインもやるし、オールラウンダー?当時はまだ学生だったのでHamajiも上から目線でどんなの作ってるの?と質問すると、、遠慮げに彼が送って来たBehance(ポートフリオサイト)のページがこちら
「え、待ってクオリティ高!!!」思わず日本語で言ってしまいました。色々話していくと、アメリカにアートの勉強のために特別資金を受けて留学してたり、国内外でいろんな賞を受賞していたり。結構すごい人でした。
そんな人がなんで英会話の先生やってるの?と聞くと、「お金がないから」と。セルビアは日本と比べると決して裕福な国ではありません。平均の収入は250ユーロ程度。(日本円だと3万ほどです。)そして失業率や、仕事につけない若者の率がとても高いそうです。
セルビアでグラフィックデザイナーなどのクリエイターで食べて行ける人はほんの一握りだそう。こんなに才能があるのに、、。なんだかとてもやるせない気持ちになりました。作品を作るための資金を、本業ではない英会話の先生で稼ぐ。オンライン英会話の他の先生にもこのようなタイプは大変多く、日本ってほんと裕福なんだなと実感しました。
「じゃあこのポートフォリオにある作品のスタジオ代とか衣装代とかメイク代とかも結構大変だよね。どうしてるの?」と質問すると、
「え、全部自分だよ。スタジオなんか借りたことがないし、ライティングも自分、メイクも自分、衣装も自分、レタッチも合成も自分。モデルがいないときはモデルも自分でやってる。」と。
ゴーーーン。それまでスタジオ借りないととか、カメラマンに頼まなきゃとか、メイクさん頼まなきゃとか、レタッチ下手だしとか言ってた自分がとても恥ずかしくなりました。言い訳探してる場合じゃないと。そう、お金がないなら知恵を、です。例えば彼のこの作品は、彼のアパートの家の屋上で撮影されたもの。
まわりに浮いている布のようなものはビニールで、合成前の写真も見せてもらったのですが、全く別物でした。全てPhotoshopのみでレタッチ、合成されたものです。そして真ん中の男性がフィリップ先生。この作品に関しては衣装制作以外、スタイリングからメイクに至るまでオールセルフ。毎回レッスンの時間は彼の作品の裏側解説だったので、英語の勉強以上におもしろかったです。
この出会いがきっかけで、自分もできることはやれるとこまで全部やってみようと考えるようになりました。
仕事でも、人物の撮影などがあるときは、どんな作りになっているかとか、うまく撮るコツとかをカメラマンさんに聞くようになりました。仕事でよく使ってるスタジオがこちら。
そしてスタジオHamajiがこちら。笑 しょぼい。
自分の部屋で撮影を始めるにあたって用意したのは、こちらの4点。
2万くらいあれば十分なものが揃います。場所をとるようで折りたたみ可能なので普段はコンパクトに収納できます。
まだ書いてませんが、2018年に制作したジャケットの素材はすべてセルフで撮影したりレタッチしたり、無料の素材を使用して作りました。フリーランスの仕事でも、今は撮影費が厳しいときは自分の部屋で撮影したりすることも結構多いです。
2018年1月1日リリースのThe Mirrorのジャケットは、一番最初にスタジオHamajiで撮影した写真を使用しています。
この撮影は、大晦日撮影の元旦リリースというド短期で作ったものなんですが、初めてのスタジオHamajiにしてはかなりよくできたと思います。撮影した写真もとてもいい感じに撮れました。
カメラは河北さんのコンデジでございます。このカメラほんとすばらしい。撮影のたびにお借りしています。もう自分用ほしい。
2年くらい自分で撮影をしたり、レタッチをしてみて思ったのは、やはり続けて行くと確実にスキルが上がります。もちろんたまにプロに撮ってもらったり、レタッチャーにお願いするとすごいなやっぱりと思いますが、自分でもできるようにしておくというのは武器にもなるのでやらない理由はないです。
スタジオHamajiで白バックで撮るのも楽しいのですが、今後はロケハンして自然の中で撮ったりとか、もっとコンセプチュアルな撮影にも挑んでみたいですね。夢は広がります。
フィリップ先生はその後、アーティストとして独立し、セルビアのファッションブランドや音楽のアートワーク、自身でモデルを勤めるドラッグクイーンのプロジェクトを始めたり。デザイナーやイラストレーターとしても活躍しています。もちろん今だにオールセルフ。日本に来るのが目標だそうなので、今後インタビューとかコラボも敢行したいですね。
お金がないなら知恵を論。自分の手でやれることはまだまだまだまだあるはずです。参考になればと思います。
では。